アラピアでは毎月4作品の映画を上映しています、どうもSHIBAです。
今月の4作品で僕が個人的に一番オススメは『アンコール!!』
筋金入りの頑固爺さんアーサーと、明るい性格の妻マリオンの老夫婦を描いたの愛の物語です。
※この先ネタバレ注意!!
アーサーは相当気難しい性格のようで妻マリオン以外からは理解されないタイプのようです。
息子とも溝があるほどです。
明るいマリオンは歌が好き。
老人たちの合唱団「年金ズ」に通っています。
しかし面白くないのはアーサー。
アーサーはマリオンの身体が心配なのです。
なぜならマリオンは病気がち。
屋外での移動は車イス。
合唱団の練習場への行き来は、いつもアーサーが車イスを押して通わなければいけません。
そんな折、マリオンが在籍する合唱団「年金ズ」がコンクールに参加することが決定。
喜ぶマリオンに、素直に喜べないアーサー。
合唱団「年金ズ」を率いるエリザベスはアーサーに、なぜ妻を応援してあげられないのかと問います。
アーサーはただただ妻の健康が心配なだけなのですが、エリザベスには理解されません。
ある日、マリオンが歌の練習中に急に具合が悪くなって病院へ運ばれます。
アーサーの不安が当たってしまいました。
病室で眠るマリオンの寝顔をあとにして、
帰宅後、ダブルベッドでひとり床につくアーサー。
掛布から左手を出し、いないはずのマリオンの手を握るしぐさがとても愛おしいです。
翌日、病院で医師からがんが再発したと告げられます。
「お家に帰って好きなだけ楽しんで」と言われ落胆するアーサーとマリオン。
マリオンが気掛かりなのは、アーサーと息子ジェームズとの不仲。
自分が逝った後、父子助け合って生きて欲しいと願うのでした。
余命数ヶ月のマリオンは合唱団に復帰し、
しかもコンクールではソロで歌うことが決定します。
練習を再開するマリオンのことが心配ながらも見守るアーサー。
そして迎えたコンクール当日。
老人たちのグループ「年金ズ」がロック(ヘビメタ?)を披露。
意表をついた曲に観客たちも踊りだします。
そして2曲ほど歌った後、最後はマリオンのソロ。
曲はシンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」
懐かしい曲ですよね。
なぜ彼女がこの曲を歌ったのか。曲の中にその答えはありました。
歌詞訳抜粋
「悲しい目をしたあなた 希望を失わないで」の唄い出しで、
「人にあふれた世界では道を見失いがち」
「微笑を見せて 悲しみに沈まないで」
「あなたの笑いを最後に見たのはいつかしら」
「私を呼んで そばに行くから」
そうです。この曲は夫アーサーのために残りわずかの命を削り
全身全霊を込めて唄った歌でした。
夫への愛が詰まった優しい歌声に思わず涙が流れます。
マリオンにこの曲を選曲したエリザベスの計らいも隠れたファインプレー。
しかしマリオンの歌を正面でしっかりと聴き受け止めたアーサーは、
なんだか浮かれない様子。
帰宅後「どうしたの?」と訊ねるマリオンに
「私はずっと君を幸せにできていない。すまない」と零す。
マリオンはアーサーの手を取って
「アーサー・ハリス、愛してるわ。私の前に気難しい顔で現れた日からずっとやっていく覚悟はできていた。支えてもらった」と励ます。
改めてお互いの深い愛を確かめ合った後、
「死んでほしくない。逝かないでくれ」とずっと耐えてきた弱音を吐くアーサー。
優しくそっと身体を寄せ合う二人に感動が止まりません・・・
そしてマリオンは静かに息を引き取ります。
さて物語はここで丁度折り返し地点。
僕はこの段階でもう胸いっぱい。
でもこの作品、本編全部で1時間30分しかないんですよ。
短い中にもいろんな愛の詰まった内容の濃い作品となっています。
喪失感のアーサーは立ち直れるのか?
息子ジェームズとの溝は修正できるのか?
ラストは感動に包まれること間違いなし。
愛と勇気を描いた作品はたくさんありますが、
いつか同じ境遇になるかもしれない自分の将来を想像すると、
アーサーの生き様が心に沁みるものがありました。
この先の展開はぜひ直接観て下さい。
http://urx.nu/hYXN
yahoo映画:『アンコール!!』
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(『アンコール?!』は偶数日の上映ですよ SHIBA)3月映画レビュー『アンコール!!』